会報44号掲載 並木秀尊選手インタビュー


――ドラフト会議から2週間ほど経ちましたが、今の心境は?
 指名されたことは非常に嬉しいのですが、実感がないというのが正直なところです。入団挨拶をしたり寮に入ったり、キャンプ(チーム単位での合宿トレーニング)に行く時に、初めて実感するのかなと思います。

――野球を始めたきっかけと、ここまで野球を続けることができた秘訣を教えてください。
 友人のお兄さんが野球をやっていて、小学校に入る前、その友人から誘われたのが、野球を始めたきっかけです。大学まで、厳しい環境で野球をやってきた経験があまりなく、またそんなに大きな成績を残していなかったので、その意味では、純粋に野球を楽しむ形でコツコツと続けることができたのかなと思います。社会人野球も続けられたら続けようと心に決めてはいましたが、絶対にプロになるというガツガツとした意識はなく、自分自身の成長する過程を楽しんでいたように思います。

――大学進学時、獨協大学を選んだ理由はなんでしょうか?
 自宅から通えるという点と、教員免許が取れるところという条件は絶対と、自分の中で決めていました。そのふたつを満たしていたことと、高校の先生の勧めもあり、指定校推薦で獨協大学を受験しました。

――プロ野球選手になることを意識するようになった、きっかけはなんでしょう?
 昨年秋の大学日本代表選考合宿に召集され、そこで注目されるようになったから、という理由もあるのですが、父が「できるところまでやれ」と声をかけてくれたことも理由の一つです。小さい頃から憧れている場所でもあったので、プロ入りを決断しました。

――ご両親は教師の経験がおありだそうですね。並木選手にとってご両親は、どのような存在なのでしょうか。
 教育という現場で周りを統括する仕事をやっていたことに対しては、尊敬の念がありますし、育ててくれたことへの感謝もあります。母は部活動で、父は指導者として、それぞれ日本一を経験しているので、その面でも凄いと感じています。

――並木選手は、卒業までに必要な単位のほとんどを3年までに取得されていて「文武両道」の印象が強いのですが、そのあたりはご両親の影響でしょうか。
 そうですね。「野球だけやっていたら、ろくな選手にならない。必ず勉強もしっかりやりなさい」と小さい頃から言われていました。ただ、厳しいというよりは、楽しく野球をやらせてもらえたように思います。進路に悩んだ時も自分で考えろ、というスタンスだったのですが、「どっちの道に進んでも応援する」と言われた時は心強かったですね。

――並木選手からご両親へ一言述べるとしたら、なんでしょうか。
 生活面を始め多くの面でサポートしていただいたので、やっぱり、まずは感謝ですね。これからは、プロの舞台で活躍することで、その感謝の気持ちを返していきたいです。

――獨協大学初のプロ野球選手となるわけですが、並木選手にとって「プロフェッショナル」とはどういう存在でしょうか?
 自分自身のことをよく把握していて、作業の過程がしっかりしているからこそ、結果がついてくる人たちのことだと思います。自分自身も、コツコツとやり続けることで、自然といい結果が出せるのかなと思っています。

――これから社会に出る同輩、後輩に向けて一言メッセージをお願いします。
 成長できたのは、同級生の支えもあったおかげなので、みんなそれぞれ違う道で就職しますが、自分の活躍がみんなの原動力になれるように頑張っていきたいです。

■プロフィール
並木秀尊(なみき・ひでたか) 経済学部 経済学科 市立川口高校出身。2年春からレギュラー入りし、首都大学野球(2部)で3季連続ベストナイン入りするなど活躍。2020年10月26日、東京ヤクルトスワローズから5位指名を受ける。本学としては初代学長の天野貞祐先生が野球殿堂入りされているが、NPB(日本野球機構)所属球団からの出身学生のプロ指名は初となる。