【学長対談】新学長に聞く、獨協大学の現在と未来 2

代表幹事 全学生への特別奨学金の給付は大きな決断だと思いますが、この決定に至るまでにどのような経緯があったのでしょうか。

学長 遠隔授業への学生支援を行うにあたり、何ができるかを考えました。コンピュータを何千台と大量に購入し、学生に貸与あるいは供与するという案もありましたが現実的に難しく、それよりは、遠隔授業に耐えうるスペックのコンピュータを学生が自分で揃えられるよう、その費用を大学でもできる限り負担してあげようということで、支給を決定しました。通信環境を設備の一つと考えると、大学の通信環境の強化と並んで、学生側のインフラの整備は授業を行うために必要なことですから。また、特別奨学金の支給後には、教職員へも募金を呼び掛けています。本学の学生のため、教職員も連帯して支援していく姿勢を見せることが必要だと考えたからです。

代表幹事 遠隔授業開始から一週間が経ち、学生や先生方の様子はいかがでしょう。

学長 いろいろと大変で模索中ですが、比較的良いスタートだと感じています。この経験を通じて教え方が変わり、事態が収束しても従来の紙ベースの授業には戻らないだろうと予想されます。

代表幹事 4年生のご父母は、就職活動についても心配されています。

学長 大型の企業合同説明会やインターンシップが中止となり、学生もご父母の方々も不安でしょう。本学ではキャリアセンターという部署がオンラインでの情報提供を行っているほか、4年生全員への現状のヒアリングと個別相談を実施しています。少しずつ求人活動が再開されていますし、延期された公務員試験があるので、今後もこちら側か
ら積極的に働きかけ、支援していくつもりです。

代表幹事 最後に、緊急事態宣言の解除を受け、今後の施設利用やクラブ活動の再開の見通しについてお話を伺えますか。

学長 正直に申しまして、それに関しては、数日前に解除されたばかりの5月末の段階では慎重にならざるをえず、まだ判断しかねる状況です。ただ、一度も大学に来られていない1年生には、なんとかしてキャンパスに来られる機会を作ってあげたいものです。

代表幹事 先生がおっしゃった「学問を通じての人間形成」は、父母の会の願いでもあります。まずは、学生のための遠隔授業環境整備のため、500万円を助成させていただきます。微力ではありますが、今後も大学と連携しながら、奨学金の給付サポートや食育、助成などを通じてご協力できればと考えております。

学長 ありがとうございます。必ず活用させていただきます。困難な状況にあるなか、学生たちには遠隔授業などを通じて、いろいろな事態に対応できる力を身につけてもらいたい。大学はそのための支援を惜しみません。

代表幹事 父母の会は、大学と連携をしながら学問を通じての人格形成に仲介することができる立場です。父母のみなさんには、ぜひ積極的に父母の会に関わっていただきたいと思います。

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