【学長対談】新学長に聞く、獨協大学の現在と未来1

2020年6月 学長対談
 獨協大学は、本年4月より山路朝彦教授が学長に就任され、新体制のもとでスタートを切りました。その一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大は、獨協大学の教育研究活動にも多くの影響を与えており、学生をはじめ、ご父母の皆さんにも大変な不安を与えています。
 そこで本号では、山路学長に新学長としての抱負を語っていただくとともに、獨協大学におけるこれまでの新型コロナウイルス感染症に対する取り組みについてお話を伺いました。(聞き手:中澤俊勝代表幹事 進行:野間綾子広報作業部会長)

司会 まずは山路先生、新学長ご就任おめでとうございます。早速ですが、先生のお考えになる大学運営の方針についてお話をいただけますか。

学長 これまで8年間犬井正前学長のもとで副学長として仕事をしてきた経験をいかし、従来の大学の方針をできるだけシームレスに繋いで、さらに発展させていくのが私の使命です。獨協大学は、天野貞祐先生の「大学は学問を通じての人間形成の場である」という理念を第一に掲げております。したがって、教育力をさらに伸ばしていくのが本学の使命であり、学長として今後も取り組むべき第一の課題と考えております。また、本学は昨年度に授業時間を90分から100分に増やしました。例えば前半は先生が講義をして、後半はみんなで考えたり、作業をしたり、グループでディスカッションをしたりする。そんな風に、従来とは違う授業のやり方を進めるきっかけになればと考えていました。さらに今回、遠隔授業が導入されたことは、授業のやり方を変えるいい機会になったと捉えています。一方的に先生がたの話を聞くだけではなく、学生が自主的に学ぶことで、社会でも通用する実行力や判断力、意志を育てられるよう教育の質を転換させていく。それが、この4年間で私が目指すべき方向性だと考えています。

山路朝彦新学長
山路朝彦新学長

代表幹事 この困難な時期に学長に就任され、本当に苦労されていると思いますが、お話を伺いまして大学の方針が十分に理解でき、父母の会としては安心しました。次に、この会報の読者であるご父母・保証人の皆さんが最も関心を寄せ、またご心配されている新型コロナウイルス感染症への対策について、お聞かせいただけますか。

学長 2月の段階でコロナウイルスに関する危機管理部会を立ち上げ、3月の卒業式及び4月の入学式の中止と、授業開始を4月21日まで繰り下げることを決定しました。その後、4月7日に緊急事態宣言発令と同時に埼玉県からの外出自粛要請が出たため、全ての建物を閉鎖し、学生には自宅待機をお願いしました。しかし、授業は行わなければいけないということで、遠隔授業を行うことを決定し、学生にはオンライン学習に対する準備のお願いをしました。

 感染拡大の状況に鑑みて、おそらく夏までは遠隔授業に切り替えざるをえないと判断したためです。しかし、学生にとっては準備と言われても何をどう用意すればいいのかわからず、場合によっては経済的に難しい。そこで、遠隔授業のための準備金として、全学生に対して一律10万円を支給する『2020年度獨協大学遠隔授業支援特別奨学金』の給付を決定しました。授業開始を5月25日まで再度延期し、在学生対象のポータルサイトやWeb会議システムなどの各メディアの整備(容量拡大、通信強化など)を行うとともに、特別奨学金の支給を授業開始前に学生の手元に届くように急ぎ、今週ようやく授業が開始したところです。

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