2022年度 父母懇談会(2) - 就職に関する講演 –

 就職に関する講演では、株式会社帝国データバンク 情報統括部長の上西 伴浩氏による講演動画「業界・企業の見方~激変する市場における業界動向~」、学生の就職活動経験動画が公開されました。


[講演]
業界・企業の見方
~激変する市場における業界動向~
株式会社帝国データバンク 情報統括部長 上西 伴浩氏

1】コロナで激変!? 昨今の就職活動の状況

 今年度の平均求人倍率は1.58 倍です。この数字はバブルやそれ以前と比べるとまだ厳しい状況ではありますが、コロナの影響を受けた就職難はもう過ぎたようにみえます。特に宿泊業、情報・サービス業、建設業、メンテナンス業など、コロナの影響を大きく受け、雇い止めをせざるをえなかった業種も人を求めているといえると思います。

 求人倍率は従業員規模でも大きく変わります。従業員数が5,000 人以上の大企業の求人倍率は0.37 倍の狭き門です。大企業に就職して欲しいと思っている保護者も多いかもしれませんが、企業もそれだけシビアに見ています。

 また、企業はコミュニケーション能力が高い人材を求めています。こうした能力はゼミやサークル活動で培うものと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ご家庭内でも十分に培うことができます。コロナ禍で対面コミュニケーションの機会が減っている今こそ、挨拶や受け答えの仕方など、ご家庭でも練習してみてください。

2】【企業の見方】視野を広げれば魅力的な企業は沢山!

 コロナの影響で倒産した企業があれば、同じ業種でもそれを免れた企業もあります。また今までの事業を見直し、新しい事業にチャレンジして成功した企業もあります。総じて今までのやり方に固執せず、様々な変化に対応できた企業が残っているといえるでしょう。これからの就職活動には、目指す職種や企業が時代の変化に柔軟に対応できるかという視点でふるい分けをすることも必要かもしれません。

 視野を広げるためには、身の回りの物事を注意深く見ることが大事です。大手フードチェーンや菓子メーカーは知っていても、容器や紙パックを製造している企業は知らない人の方が多いでしょう。こうした分野にまで視野を広げることで、魅力的な企業が見えてきます。

 またスタートアップ企業に投資する大企業も世界的に増え、日本国内でもスタートアップ担当大臣が任命されました。勿論リスクはありますが、こうした企業を研究してみても良いかもしれません。

3】帝国データバンク直伝!! 情報収集のポイント

 就活の情報収集のポイントは、客観的な情報を得ることです。得られる情報には必ずその人の主観が入ります。主観や直感も大事ですが、多くの情報源をあたることで、客観的にその企業のことが見られるようになります。情報収集の際は企業の事業内容や財務状況、将来性や企業理念、沿革、職種や福利厚生、給与キャリアなど、極力全体がわかるような形で収集すると、より良い判断材料になります。

 特に会社説明会は現役の社員から話を聞くチャンスです。また、同じ業種を志すライバルがどのように就職活動をしているかを見る絶好の機会でもあります。企業の話だけではなく、同じ学生の話し方や聞く姿勢にもぜひ注目してみてください。あなたに今足りないものがわかるかもしれません。

 帝国データバンクでは調査の際、相手の規模にかかわらず、必ず現地に行き自分の目で確かめるようにしています。その企業が扱っているものを実際に使ってみることや、その会社や事業所に赴いて社員さんの出退勤の様子を見ることで得られる情報があります。

キャリアセンター講演
キャリアセンターの学生支援

キャリアセンター所長 岡田圭子

 キャリアセンターの支援内容は大きく分けて『進路相談』、『資料提供』、『ガイダンス・講座実施』の3つです。

 進路相談は全学年を対象に、対面、電話、Zoom を使用したWeb 相談を行っています。WEB 相談は予約制ですが、対面相談は予約不要です。早いうちから将来を考えたい学生さんも、ぜひいらしてください。

 資料提供もキャリアセンターの大きな仕事です。求人やインターンシップ、U・I ターンなど就職関連情報の他、企業情報が豊富な貴重なデータベースをご覧いただけます。また志望企業で働いているOB・OGの照会、卒業生の苦労や工夫が満載の就職体験記公開なども行っています。これらは予約なしで閲覧が可能です。

 ガイダンスと講座は、今年はオンデマンドと対面の併用で行っています。インターンや就活でのマナー講座、業界研究、公務員試験対策など、膨大なアーカイブがございます。これらの情報はPorTaⅡとキャリアセンターの公式LINE でもお知らせしています。昨年度は延べ43,655 名の学生が視聴しました。

 2 月には対面で OB・OG 面接会を行います。獨協大学生のために OB・OGが講演を行ったり、模擬面接をしてくれる会となりますので、現在の3年生にはぜひご参加いただきたいです。

内定取得学生による就職活動体験談
就職活動体験報告会 経済学部 経済学科4年

 IT、広告会社に内定が決まり、現在は内定者インターン生として勤務しています。学生生活ではアルバイトと語学学習、読書に精を出しました。

 就職活動においては、親子が対等で、信頼できる関係であることがなにより大事だと思います。希望職種や就活の状況を、上から採点するよう接するのではなく、どうすれば希望職種に就職できるかを一緒に考えてくれる協力者として接して貰えるととても嬉しいです。1 ~ 2 月の面接時期は感情の波が激しくなる傾向がありますので、この時期は特に慎重に接していただけると、子供も安心して両親に頼れるのではないかと思います。

就職活動体験報告 外国語学部 英語学科4年

 航空と物流に絞って就職活動を行い、国内航空会社のグランドスタッフとして働くことに決めました。学業や部活動、アルバイト、課外活動など、頑張った経験を企業の方々は評価してくださいます。そのため失敗を恐れずに、積極的にチャレンジし、たくさんのことを学んでください。それは必ずあなたの力になります。

 就職活動への家族の関わり方は人それぞれだと思います。特別なことをする必要はありません。そっとしておいて欲しいときもあれば話を聞いてほしいときもあります。それを察して、程よい距離感で接してくれると嬉しいです。

 
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